「推し事」を「お仕事」に。動画制作における『オシゴト』の重要性
皆さん!オシゴトしてますか?
企業動画のディレクターとしての「お仕事」をしながら日々、とあるアイドルの「推し事」もしているディレクターの今井と申します。
最近仕事をしながらよく思うこと、それは「推し事」を「お仕事」に生かすと仕事が面白くなる、良いものが作れる、ということ。
われわれ企業動画を制作するディレクターは、ありとあらゆる商品・サービス・人物の紹介や、団体・企業様そのもの(営業で使う会社概要動画や採用動画)の紹介動画などを制作しています。
取材・制作を最前線で行うディレクターは扱うモノ・人・サービスを好きになる、いやいや「推し」になることで、情熱を伴った良い動画が作れるのではないか?と思ったので一緒に考えてみましょう。
Contents
「推し」とは?「好き」と「推し」の違い
最近巷で良く聞く「推し」という言葉。
デジタル大辞泉(小学館)によると「推し」とは”他の人にすすめること。
また俗に、人にすすめたいほど気に入っている人や物”を指す言葉とのことです。
1980年代のアイドルブームの際に、推してるメンバー=「推しメン」という言葉が登場し、それがさらに省略化され「推し」という言葉が2000〜2010年代にAKB48のファンによって広がりました。
従来、アイドルグループの中で誰が好き?という問いに対して、「◯◯ちゃん推し」という使われ方だったもの(=ファンが主語)が、「推しが出てるドラマを観なきゃ」とか「推ししか勝たん!」というように、対象そのものを指す言葉(=対象が主語)になっていったのが面白いところですね。
さらに、いわゆる「推し事」や「推し活」が女性や若年層の間でも急速に広がり、従来同義で使われていた(ネガティブなイメージもあった)「◯◯オタク」という言葉に代わるものとして定着、2020年の芥川賞受賞作「推し、燃ゆ」(宇佐見りん著)でさらに広い世代にも浸透した感があります。
「推し」の対象は人にとどまらず、あらゆる所で用いられるようになりました。
アニメやマンガはもちろん、キャラクターの関係性だったり、鉄道・文房具といった乗り物やモノ、色、コーディネート、ジャンルそのものなど・・・
ここで一つ重要なのは、一見近い言葉である「好き」との違い。
それはズバリ人にすすめたい気持ちがあるかどうか。
「好き」は「心がひかれること。気に入ること。そのさま」(デジタル大辞泉(小学館)という意味で、自分がその対象に惹かれている状態だけを指し、他人にすすめたい/応援したいという観点は含まれておりません。
だから「推し」について語るときは、若干早口になりながら、その尊さについてあらゆる形容詞を用いて(時には擬音語を多用しながら)、他人におすすめポイントを並べてしまうのです笑
「推し事」あるある
さて「推し」の言葉の定義についてはこのへんにしておきまして、「推し事」ってどんなことをしているのか、あくまで私周辺の知見になりますが、あるあるを並べていきます。
①ライブやオンラインお話し会に通う
これは基本です。
推しが一番輝いているのはライブの時。
同じツアーであっても初日と千秋楽、また昼と夜で同じものはありません。
パフォーマンスを見て推しの成長に感動する、これが個人的には一番の醍醐味です。
そしてその感想をオンラインお話し会で直接伝える。
コロナ禍以前は直接会場に行く「握手会」だったものが、オンラインで開催されるようになったのも近年の特徴です。
②推しの推しは私も推し
推し活をしていて集めるグッズは公式で販売しているものにとどまりません。
推しが好きと言ったアニメのグッズ、推しの出身地の関連グッズ、あと、ついつい選んでしまいがちなメンバーカラーのもの何でも、などなど・・・
基本推しの好きなものは細かくチェックし、回転寿司や焼き肉でも推しが好きと言っていたメニューを頼みがちですし、何なら推しに関連する数字の席にさりげなく座ってしまうことも(失笑)
③推しが出ている番組や配信をチェックしてtwitterトレンド上位目指して呟きまくる
推しがクイズや情報番組のゲストとして呼ばれた時は、とにかくそのメンバー名とグループ名、そして番組名をセットでハッシュタグをつけて呟きます。ファンが一体となって呟きまくればtwitterのトレンド上位にも上がることができます。
トレンドに上がると「この子はSNSでの拡散力があるんだ」と次の回でも呼んでもらえたり、レギュラーを獲得することもできる可能性も高くなるからです。
私の推しが世界トレンド1位になった時は泣きました。
あるあるは尽きないですが、「推し事」で生活が楽しくなりますし、知らなかったジャンルなどにも触れられたり、交友関係も広がったりして間違いなく心のビタミンになっています。
ただ、ここで一つ注意すべきなのは、「推し事」はのめり込んだら抜け出せなくなりますので、自分の時間とお金をしっかり見定めながら程々に、ということです。
「推し事」を「お仕事」に生かす
さあ、ここからは「お仕事」に生かす方法なのですが、お客様の様々なモノ・人・サービスを動画で伝えるディレクターとして、その対象物を「好き」になるだけでは良いものを作るための熱量が足りません。
そう、先程の言葉の定義にもあったように「推し」になることでより良い動画が作れるのです。
具体的にどのような「推し事」で培った力が生かせるのか?
ざっと下記のような要素になります。
①リサーチ力
「推し事」で欠かせないのはなんと言ってもリサーチ力。
日々更新されるHPやSNSの情報をいかに正確かつスピーディーに収集できるかが、「推し事」のクオリティにもかかってきます。
「推し事」において大抵、どの界隈でも公式HPやSNSの情報というものは分かりづらく、必要な時の間際になって発表されるものが多いです。
そうなると様々な媒体を駆使して情報を集めるクセというのは自然についてくるので、「お仕事」においても、取材対象の公式HPだけでなく、SNSや採用サイト、ニュースサイトなど第三者の情報も集めることで、よりターゲットに寄り添ったものが作れます。
「情弱」では良いものはできません。笑
また「推し事あるある」②であげたように取材対象から派生した人やモノも熟知することで、より深堀りができます。
それは例えば取材対象の歴史だったり、競合だったり、その土地ならではのものだったり・・・「推し」をとりまくあらゆる事をまずは知っておかないと、良い企画や構成案は生まれません。
②対話力
次に大切なのは「推し事あるある」①にあげたように「推し」に会って対話すること。
商談中、あるいは受注後のミーティングやロケハンなどを通じて、取り上げる商品や人の魅力をどんどん見つけていきます。
基本「推し」のことは全肯定するタイプなので、どんな小さなことでも魅力を引き出そうと心がけています。
また、一見地味と思えるその商品や人の魅力であっても、構成や演出で見せ方を工夫するだけでそれが格段に面白く見えるようになったりすると、動画ディレクターとしてのやりがいを感じます。
③拡散力
あとは「推し事あるある」③にあげたように、情報の拡散・波及を目指します。
制作した動画の置き場所を工夫、またSNSとの連動などをして、より多くの人の目に触れるように工夫すること。
近年はアクセス分析も容易にできるようになったので、お客様と協力しながら、もっと力を入れて行わなければいけないと思っている力です。
以上のような力を駆使することで、制作した動画を見た人々が、その会社なり商品の「推し」になるきっかけになる or 「推し」になってくれる、というのが最終的なゴールになります。
この世界においては「同担拒否」などという言葉は存在しません、「同担大歓迎」です。笑
まとめ
いかがでしたか?
単なるダジャレではなく、真剣に「推し事」を「お仕事」に生かす術をご紹介しました。
あなたの企業・商品・人など、私どもがまずは「推し」になり、その魅力を掘り下げて、伝わりやすい形で動画化します。
そして、その動画を見て「推し」になってくれる人を一緒に増やしていきましょう!
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