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動画制作コラム

【動画・映像制作】ハリウッド流『三幕構成』を使い、共感を生む動画制作の方法について

企業が動画制作をする際に一番大切で難しいことは、動画制作の目的とゴール(数値目標)を明確にすることですが、これらと同じくらい大切なことは「シナリオ(構成・ストーリー)を考えること」です。

 
ヒット曲には共通するコード進行という構成美が存在します。
そして動画制作においても構成美というものが存在します。

 
それは、三幕構成

三幕構成とは、状況設定 → 対立や葛藤 → 解決といった構成のことを指します。
この三幕構成は、起承転結といった構成よりも1項目減り、内容が明確化するので分かりやすく構成を立てることができるといった特長があります。

 
それでは、構成美について理解を深めるべく、音楽の側面から構成(ストーリー)について見ていってみましょう!

 

「ヒット曲」に共通する構成美

カラオケでも定番、椎名林檎の「丸の内サディスティック」。

  
令和のヒットソング、Adoの「うっせえわ」、YOASOBIの「夜に駆ける」。

  
エモい!と、最近、若者の間でシティポップ再ブームの火付け役になった、
竹内まりやの「PLASTIC LOVE」。

 
大ヒットした名曲たちですね。
90年生まれの私は「丸の内サディスティック」を聴くと、学生時代のカラオケを懐かしく思い出しますが、実は、この曲たちには共通点があるのです。

 
それは、「コード進行」

 
実は同じコード進行だったり、少し変えているだけだったりするのです!
アイデアの大元と言われているのが、1981年にアメリカで発表された「Just The Two Of Us」。

 
大人なしっとり系の曲で、特に「うっせえわ」なんかは似ても似つかない雰囲気です。
(しかし、イントロから「うっせえわ」のサビを口ずさんでみるとぴったりハマるので、気になる方はやってみてください。)

日本では「丸の内サディスティック」の影響力が大きいので、「マルサ進行」なんて呼ばれています。
ここではこれ以上の音楽的な深い説明は止めておきます。

 
もちろん同じようなコードを使ったからといって、簡単に名曲が作れるわけではありません。
歌声、楽器の編成、リズムやメロディ、曲の展開でそれぞれ違う世界観が出せるのがプロの技ですね。

 

シナリオや映像制作の世界にもある「構成美」

さて、ここまで前段として音楽の話をしましたが、映像や漫画、シナリオの世界にもコード進行のように共通して使われる「構成」があるのです。

 
よく耳にするのは「起承転結」ですね。
もちろん、こちらもスタンダードに色々なところに使われますが、世界中で物語やストーリーにもっと有効的に使われているものがあるのです。
理由はより分かりやすく、メッセージが響きやすいからです。

 
ハリウッド映画から、漫画、小説に至るまで広く使われる構成であり、
そして、「起承転結」よりもシンプルで、もしかしたら就職活動、スピーチ、プレゼンなど明日からの生活でも使えるものかもしれません!

 
その名も「三幕構成」というもの。
「起承転結」が4つの構成なので、一個減りましたね。

 
構成としては、こんな感じです。
【1幕目】状況設定
【2幕目】対立 や 葛藤
【3幕目】解決

 
起承転結と似てる部分もありますが、三幕構成はご親切に、割合の目安を示してくれているので明快なんです!

 
それがこちら。
三幕構成画像

 
シド・フィールド氏というハリウッドの脚本家が体系化した構成です。
ハリウッド映画や日本の漫画やアニメでも広く活用されています。
(スターウォーズ、トイストーリー、天空の城ラピュタなどなど)

分かりやすく、飽きずに観られるバランスなので、使われ続けているのです。

 
今回ここでは、会社の宣伝などにこの三幕構成を応用すれば、より「理解」や「共感」を獲得できるかも!?という話をしていきます。

 

三幕構成を身近に生かす

突然ですが、私は先日、夏休みを利用して、A県の大きな花火大会に行きました。
3年ぶりに開催された全国有数の花火大会を、升席の間近で見ることができて、それはもう最高の夏の思い出です。

 
しかし!そこでどうしても気になったことがありました。
それは協賛企業の宣伝アナウンス。
花火が上がる前に、出資した企業が紹介されるあのアナウンスです。

 
例えばこんな感じ..
「ハウスメーカーとして地元で愛され続けて50年。
信頼と革新の技術で、地元に貢献してきました。みなさまの暮らしを豊かにするために、これからも成長しつづけます。
未来のために環境に優しく、持続可能な技術で、100年先も地域社会に貢献していきます」

 
何社も協賛企業がありましたが、本当にどれもこんな感じでした。
どうでしょう?心に残りますか?
これが悪いということは思いませんが、
せっかくの3年ぶりのイベントでの宣伝の機会なのに、もったいない!!と個人的には思いました。(ただの職業病かもしれません)

 
ここで構成に話を戻すと..
なぜ上のような定番文句では、心に残らないのか?という点を話していきます。

 
上記の内容では、「葛藤」や「課題感」というスパイスが足りないのです。
しかも、コロナ禍という世の中共通の「葛藤」がありながら。

 
こちらの「三幕構成」の図を思い出してください。
三幕構成画像

 
簡単な宣伝でも、生かせるものがあるんです。
例えばこんな感じでしょうか。

 

【第一幕】状況設定
ハウスメーカーとして地元で愛されて50年。
【第二幕】葛藤
この数年間は私たちにとっても苦難の連続でした。
人手不足・材料費の高騰、まだまだ超えるべき課題だらけです。
【第三幕】解決
しかし、皆様に支えられながら今日という日を迎えることができました。
100年先も、みなさまと共にあるために、進化を続けます。

 
例なのでざっくりと書きましたが、
このように、似た内容でも【葛藤】や【壁】のようなスパイスを入れることで、グッとストーリー性が出てきたのではと思います。

 
第一幕の「ハウスメーカーとして地元で愛されて50年」で、信頼があり、長く続く会社という状況を説明しました。
ポイントは、第二幕に【葛藤】を入れることで、「コロナ禍3年ぶりの花火大会」という状況に、より意味が出て、長年続くような会社でも、自分たちと同じように苦労があったんだ!という、「発見と共感」に繋がります。
そして第三幕に、そんな中でも花火大会に参加できた。
ということは、ある種、壁は乗り越えられた(本当に経営が危ない会社は出資できないので)という、実感に繋がりますね。

 
この「状況設定・葛藤・解決」の3つの要素を組み合わせることで、より説得力のあるPRに繋がるのです。
この3つの要素と、バランスを覚えておくと、会社の宣伝だけではなくて、商品PRや面接での自己PRなんかでも、使えるかもしれませんね!

 

共感できるコンテンツには不可欠な要素

さて、先ほど述べた「状況設定・葛藤・解決」
この3つの要素が不可欠なコンテンツがあるのです。
それは、ドキュメンタリーです。(ドキュメンタリーは解決しない場合もありますが)

 
私は前職で、報道番組や企業もののドキュメンタリー番組の制作に携わっていましたが、毎回問われるのは「壁は何だ?」ということでした。
なぜかというと、「状況説明」→「解決」だけでは、ただの企業宣伝にしかならないからです。
これを避ける理由は報道やドキュメンタリーの意義という面も勿論ありました。

 
ただ普通に考えて宣伝や、ただただうまくいっている人を1時間も見たいでしょうか?
YouTube広告の数秒ですら、宣伝感のあるものは我慢できないのに、耐えられないですよね。笑
何かに向かって頑張って立ち向かうから、紹介する意味があり、そこに視聴者が番組を観る価値があるのです。

 
企業にとっては、裏側や失敗を見せるのは時にリスクがあるかもしれませんし、見せたくないという人もいるかもしれません。
しかし、壁を乗り越える様子を見られることは、視聴者に共感と信頼感を訴求することに繋がります。

 
ここで手前味噌ですが、弊社の紹介VTRでも、3つの要素を三幕構成を用いて制作した事例があるので、ご紹介させていただきます。

 

【ストーリー概要】
日々、現場で企業のリアルな姿を追うディレクター
クライアントの魅力を視聴者に伝えるために日々奮闘し続ける..
しかし、自分が現場で感じた、企業の魅力は視聴者に伝わるのか!?

 
とある企業の取材を通して、ディレクターがどんな思いで映像制作をしているのか?という弊社の紹介VTRになっています。
壁や葛藤として描いたのは「第三者に伝わるのか?」というテーマです。

 
こちらは、私が映像の構成や編集を担当いたしました。
三幕構成を活用しつつ、ストーリーを組み立てました。

 

【第一幕】約1分
アバン(前振り)・タイトル・ムビハピの紹介

【第二幕】約2分
Part1 (現場 vs ディレクター)
・第三者視点で現場に向かうディレクター
・現場にこだわり、魅力を引き出す
Part2 (責任感と葛藤)
・一番伝えたいことはなんだ?
・第三者に伝えるために悩み続ける

【第三幕】約1分
・迎えた上映の日。
・動画の効果は成功!
・END

(総尺4分)

といったふうに、三幕構成の要素とバランスで描きました。

 
 
三幕構成画像

大人の事情で、成功事例などはざっくりとしか説明できませんでしたが、取り組みの説明と想いをコンパクトに伝えることができたのかなと、思っています。(改めて見るとまだまだですが..)

 
私たちは映像制作会社なので、物事を伝えるということは当たり前なので、この動画を制作する際も、そこを課題にしたときにどう映るのか?
お客さんを不安にさせるだけじゃないか?など悩みました。

 
しかし、弊社の強みである取材力・第三者に伝える力、というのを客観的に伝えるには、「沢山撮るけど選ばなくてはいけない葛藤」「自分が感じたことは伝わるのか?」という葛藤を描かなければ、大切にしているものは伝わらないと思い、現在の構成にしました。

 
そこでバランスよく見せるために三幕構成のやり方を用いて、編集を行っていきました。
会社説明が長すぎても退屈ですし、現場で頑張ってます!!というのが長すぎても押し付けがましいし、葛藤が長すぎてもくどいだけなので、見やすいバランスと尺で「取り組み」と「想い」の両方が伝わるよう工夫と苦労した記憶があります。

 

まとめ

この動画で用いたロジックや構成は、他の会社紹介などでも活用できるものです。
ドキュメンタリータッチで、逆境や苦悩をした先のゴールまでを描くことで、共感と信頼できるコンテンツになります。

しかし、ロジックがあれば作れるのか?というと、そうではありません。

 
冒頭で、名曲に共通するコード進行のお話をしました。
同じコード進行でも、アレンジ・演奏・歌詞などなど色々な要素で、違う世界観になります。
そんな名曲が生まれるには、作曲のプロ・歌うプロ・演奏のプロ・録音する裏方のプロなど、たくさんのプロ力が必要ですよね。

 
ムビハピには、映像のプロが揃っています。
課題解決をサポートしてくれる動画コンサルタントから、
ディレクターのプロ、その中でもドキュメンタリーが得意な人、バラエティが得意な人。
撮影のプロ、編集のプロ、音のプロ。

 
それぞれの技術を活かして色々な視点で、クライアントのために、何より視聴者のために「リアル」な魅力が伝えられる映像を作るために、日々悩みながらも励んでいます。

 
伝わる映像を、作りたい方は是非ムビハピにお気軽にお問い合わせください!
プロフェッショナルが力になります。

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