【動画制作】撮影時の必需品『カンペ』の書き方・使い方・最新ツールについて解説!
【カンペとは】
カンペとは、「カンニングペーパー」の略で、カンニングをする紙を意味する和製英語です。
学生時代、勉強が苦手だった私は、テスト勉強よりも熱心にその制作に力を注いだものですが、まさか大人になってまで作り続けるとは思いもしていませんでした。
私がいたテレビ業界で「カンペ」と言えば、番組収録でとても大切な小道具であり、収録前にはADさんが深夜までカンペ作りに追われ、本番直前までバタバタと手直しが続きます。
カンペは、本番中にアナウンサーやMCへ残り時間を教えたり、番組の進行を指示したり、台詞や歌詞などを、カメラに映らないところから声を出さずに伝達する指示書のようなもの。
時に出演者が、その内容を指摘して笑いのネタにするシーンを見かけることがあると思いますが、カンペはまさに撮影現場の縁の下の力持ちなんです。
【カンペはやっぱりスケッチブック!!】
我々がカンペによく使っているのは、黄色と黒の表紙が特徴のマルマン社製の図案スケッチブック(1冊・約300〜500円)です。
映像制作会社で、このスケッチブックを置いていないところはないと言っても過言ではないかもしれません。
本来なら、デッサンやスケッチ、水彩画などで使用されるものなのに、誰が、いつ、カンペに使い始めたのか……調べても記録は出てきませんでした。
しかし、スケッチブックがカンペとして長く使い続けられている理由は確かにあります。
ペンとの相性の良さ!
理由② 表紙が硬いのでヨレない。
理由③ リングで綴じられているのでめくりやすく運びやすい。
理由④ とっさに見つけやすい目立つデザイン ! (※個人の感想です)
最近では、事前に準備する進行用のカンペは、手書きではなく、印刷したものをホチキスで貼るというスタイルが主流となっています。
その場合、収録が終わって不要になったカンペは、はがしてスケッチブックは繰り返し使っています。SDGsですね!
紙が丈夫なので貼り替えても何度も使えて、制作費の削減という観点からもとてもありがたいです。(ღ*ˇᴗˇ*)❤︎タスカル
【カンペのデメリット】
収録現場に無くてはならないカンペ。
企業動画においても、出演者の方にカンペを用意して欲しいといわれることも多々あります。
カメラの前で話す機会が少なく慣れていないので、その気持ちは本当によくわかります。
しかし、カンペは良いことだけではありません。
使い方によっては動画の質が下がってしまうので注意が必要です。
カンペに頼りすぎると、棒読みになったり、文字を追って目線が泳いでしまい、不自然な話し方になってしまうのです。
こうなると、相手に感情が伝わりにくく、言っている内容はよくても熱意が伝わらず、ちぐはぐな印象を与えてしまいかねません。
自然でリアルな言葉こそ、人の心を動かす力がありますので、大切なメッセージや伝えたいことはカンペを使わずにお話しいただくのが良いのです。
しかし、企業動画では、言わなくてはならないことや間違ってはいけないこともたくさんありますので、ある程度カンペは必要になります。
では、どうしたら良いのでしょうか・・・?
それは! カンペの書き方で、ある程度解消できます!!
以下の2つを見比べてみてください。
違いは一目瞭然。
悪い例のカンペでは、読むことに意識がいってしまい、棒読みになりがちです。
良いカンペのポイントは、要点だけを箇条書きにすることです。
上述のように強調したいところに色をつけておくと、メリハリがつきますのでオススメです。
ですが、一番大切なことは、カメラに話すのではなく、カメラの向こうにいる「伝えたい相手」に問いかけるように話すこと!
それがメッセージを伝える上で大事なコツになります。
【コレは使える! iphoneを使った最新カンペ】
さて、最後に最新の「使えるカンペ」についてお話をしたいと思います。
私自身先日の現場で使って、クライアント様のお役に立てた事例になります。
それは、iphoneを使ったカンペ。
これならカメラ目線で原稿を読むことができます!!
使用するのは、Appleが開発している、macOS/iOS用のワードプロセッサ及びページレイアウトアプリケーション「Pages(ペイジーズ)」。
iPhoneには標準でインストールされているアプリケーションの一つです。
実際に使用した時の写真は以下になります。
なるべくカメラ目線になるように、レンズ下に紐などを使ってiphoneを固定。
今回、このカンペを使用した案件は、カメラ目線で5分間にわたり、セミナー参加者へのメッセージを役員の方が話すというものでした。
使ってみて良いと思った点は、iphoneはスケッチブックなどに比べて小さいので、目線がブレず、ほぼカメラ目線で話すことができたことです。
話し手が、原稿を事前に読み込んでいれば、自然な喋りをより実現できると思います。
ぜひ、皆さんも機会があれば試してみてください。
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